お知り合いの調律師さんからお仕事のご依頼を頂きました。 その調律師さんは少し怒っていらっしゃいました。 出張の傷修理の仕事が決まったけれど、会社の上司やらマネージャーに相談したところ、これは修理できない。 やっても綺麗にならない。 ピアノを一度預かるべきだ等、否定的なことばかり。 その調律師さんは、綺麗に修理できるこ事は予想していたみたいですが、自分ではできない。 会社の人間に相談しても話にならないと見切りをつけ、なんと僕にご相談して頂き、お手伝いをさせて頂くことになりました。 その調律師さんの会社はいつもラッカー塗料しか使いません。 何かのこだわりなのか。
そして写真を見てこれは治せないと判断したのでしょうが、なぜラッカー塗装だけにこだわる必要があるのでしょう。 世の中は常に進化しています。 化学も道具も常日頃から進歩しています。 なぜかこのピアノ業界、ラッカー塗装に必要以上にこだわり、ウレタン塗装を勉強したがらず、型にはまった技術者がすごく多くなっているのが現状です。 その調律師さんも自分の会社のそういう現状を嘆き、今回お話をいただきました。
えぐれています。
えぐれています。。
えぐれています。。。
もちろんラッカー塗装だと限界がありますので、僕が指定したウレタン塗料を調律師さんに用意して頂き、知り合いの塗料屋さんに出張用のコンプレッサーをお借りして、会社でやっているのと全く同じクオリティの修理を出張先でもできるように準備します。
まずはパテで傷を埋めて元々の形を再現します。 作業中常にパテを強制乾燥させています。 傷がつく前と全く同じ形に成型して塗装ができる準備をします。
いつの間にか撮影されていました(笑)
ウレタン塗装をしました。 完全にパテを隠し上から塗装をします。 全部塗装が終わったらしばらく強制乾燥をさせないといけないので、しばらく片づけをしながらご飯を食べます(笑)
後は境目が全く分からなくなるように研いで磨いて終了です。 会社でいつもやっている作業を出張先で全く同じクオリティの仕事を提供できました。 調律師さんも後ろで仁王立ちしながら、綺麗になっていく様を見て大満足していただきました!
もちろんお手伝いして頂き何個かはやっていただきました。
やっぱり型にはまらずその時その時で修理方法を使い分ける知識と技術、これに尽きると思います。 後は道具を貸して下さった塗装屋さんにも感謝です。 これがないと塗装の吹付ができませんので。 全くピアノの状態を知らずに準備していきましたが、無事に修理できて、喜んで頂きよかったです!
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